好きなんだ!君が!!!好きなんだ!君が!!! 『獄寺隼人、今すぐ応接室に来て。早く来ないと、君の飼い主ぐちゃぐちゃに咬み殺すから。』 時刻は昼。 いきなりの放送で、さっきまで騒がしかった教室がシーンとした。 一斉にみんなが獄寺の方を向けた。 「…ったく。」 はぁと獄寺は大きなため息を吐いた。 (せっかく十代目とお昼だったのに。) そう思いながら扉の方に向かう。 「待てよ………。」 「!?」 呼び止められ、腕を引っ張られた。 不意なことだったので、体がバランスを崩し後ろに倒れた。 それを腕を引っ張った本人が優しく支えた。 「山本!…離せよ。」 「………。」 腕を振り払おうとするが小柄な獄寺が山本にかなう訳がなかった。 「…っ、おい!山本!聞いてるのか!?」 いつまでも無言の山本に獄寺は痺れを切らし始めた。 「早く行かねーと十代目が…っ!?」 急に腕を引っ張り出し屋上まで連れて行った。 「何がしてーんだよ…。お前は。」 屋上は誰もいなくてとても静かだった。 「獄寺、お前雲雀と付き合ってるのか?」 「はあ…?」 唐突な山本の質問に獄寺は間抜けな返事をしてしまった。 「どーなんだ?」 力強く肩を掴まれ思わず顔をしかめる。 「…付き合ってねえよ。」 俯きながら小さな声で呟いた。 だか、その表情は少し切なさを秘めていた。 「そっか。じゃあさ。」 右手を頬に手を当て左耳に唇を寄せ、いつもとは違う低めの声で囁いた。 「俺のものになってよ。」 山本の甘い吐息がかかり、耳まで真っ赤になった。 「頭、大丈夫か?」 少し潤んだ瞳できつく獄寺は睨みつけた。 「もちろん。」 「だったらなんで…!」 「獄寺が…。」 顎に手を乗せ自分の方に向かせる。 互いの視線が交わる。 「獄寺が好きだから。」 うっすら濡れているエメラルドグリーンの瞳にゆっくりとキスを落とした。 ----- 2008.3.16 山本の片思いです。 雲雀さんにちょっかい出されて、雲雀さんを気になってる獄です。 さて、これからどうなるのかは想像にお任せしますv てかこの小説、遠征に行く途中の先生の車の中で書いたんだよね。 朝早かったし、文章おかしいし。 アゲハはまったく何をしてるんだか。 |